2019年3月23日土曜日

The final mission ~Cygns02~ 政府専用機巡礼 vol.2

南千歳で20-1101を撮影した後は、36号線を南下し、いわゆる「生コンポイント」へ。地元のスポッターの方々には何の変哲もないタイのB744を狙うことに。

2019.3.15 TG670 HS-TGB

ここでも日が当たるカットを収めることができた。滑走路上の雪もほぼなくなり、春間近といった様相であり、それは樽前山や風不死岳を霞ませる空気からもうかがえる。ここまではJL593便の機内でイメージした形通りの展開だったのだが、ここで事態が動き始める。遠方の専用機格納庫から日の丸を描いた垂直尾翼が動き出しているのだ。慌ててクルマを動かし、基地側に向かう。余裕があれば「Jコロ」や格納庫付近で至近から動きを収めたかったのだが、うまくクルマを止められず、外周へ向かうことに。滑走路エンドに到着すると、80-1111が丁度、T/G訓練に向けて飛び立ったところだった。どう動いたらよいのか分からないままエンドで待機。すると、ほどなく、舞い降りてきて、T/G訓練に突入。1回目の撮影はエンドから離陸を真正面に狙う構図を選択するも、天候が災いし陽炎に負けてしまった。少し動いて2回目。ここでもまだ薄日が差しており、正午が近づいてサイドが弱いものの、曲線を描く朱色を収めることができた。2019.3.15 80-1111 Cygns01A 10:25頃
そのまま基地内の動きを見ていると、今度はCygns02に離陸の動き。月曜日から全く動きがなかったのが信じられないような状況になってきた。想定外の状況に、洒落たアングルを選ぶこともできず、そのままエンド近辺で待ち構えることにした。

イヤホン越しに聞こえるCleard for take-off。甲高いCF6エンジン×4の唸り。ここまで一切視界にその姿が見えない。轟音が次第にボリュームを増し、いよいよ現れた時、眼前でエアボーン。上がりはB-777のT/Gより早く、苦肉の見上げショット。若干の雪レフ効果に、上空は青空と、なんとかみられるカットになった。

2019.3.15 20-1102 Cygns02 10:34頃
わずか10分のうちに、新旧両専用機を収めることになり、想定を超える事態に動揺が抑えられない。この後、一体、何をどうすればいいのだろうか。とりあえずB-747の動きを見ていると、離陸後旋回することなく、そのまま本州方面へ向かった模様だった。

そうこうしていると南千歳のスポットに止まっていた20-1101が動き出しているではないか!これは!!と思い、取るものとりあえず、専用機格納庫前へ向かう。も、間一髪間に合わず、20-1101は格納庫へイン。20-1102は千歳を離れ、20-1101は格納庫へ。80-1111は訓練が終了し、80-1112は羽田。一瞬にして撮影可能な専用機が1機もいない状況になってしまった。

失意の私は、何を思ったか外周をうろうろ、旅客ターミナル側にもうろうろ。挙句、あろうことか空港を離れ、千歳市内のコンビニへ。ここでコンビニでお茶を一服しひと心地付けるとようやく、まともな思考回路を取り戻し、スマホを眺めながら、今後の可能性を考えようとしたとき、またしても、想定外の事態に。

Cygns02が千歳に戻ってきている模様なのである。ツイッターで懇意にさせていただいている方のアドバイスもあり、午後からT/G訓練に突入する可能性に賭け、再び外周ポイントへ急行。

待つことしばし。
12:56、曇りがちとなった空を悠然と北の空に4つのエンジンを抱えた白鳥が舞い降りてきた。ファインダーの中では実際には米粒くらいなのだろうが、圧倒的な存在感で私の眼前に迫ってくる。







そして念願のT/Gへ。我を忘れて、とはこのことだろう、曇り空にも拘わらずシャッターを切りまくった。離陸後すぐに Turn Heading 220° ・・・これが、先輩諸氏が収めてきた千歳のひねりなのだと、雄姿を仰ぎ見ながら感無量。森の向こうへ消えるまで見送った。

そして、およそ15分後、再びT/G。

2019.3.15 20-1102 Cygns02 13:09
専用機格納庫と絡め、千歳らしさを。背後にはこれまたご当地AirDoのB737がフレームイン。轟音とともに、ギアの格納をしながら、Heading220°のターンを決める。

美しい、としか言いようがない。柔らかな春の陽を浴び、磨き上げられた2連のノズルに北の大地が映り込む。再び、森の向こうに消えるまで見送る。

天候は持ち直し、継続的に日が当たり始めた。13時を回り、徐々に陽光がサイドに回り始める。B-777、B-747のT/Gを何度か観察し、15分~20分ほどで基地に戻ってくるのだと理解した。次のポイントまで15分以内に移動すれば、新たなアングルでの撮影が可能ということである。既に遠征前の想定はいい意味で大きく裏切られている。途中、もたついたり、曇ったりと撮れ高十分とは言えないが、撮るには撮れている。これらを踏まえ、私は最後の勝負に出ることにした。捻りの撮影である。あと何度T/Gが繰り返されるか分からないが、ここまで来て条件が整っているのにチャレンジせずに帰るという選択肢はもう残っていなかった。現在13:10。次のT/Gまで15分、中央防波堤での撮影経験と、離陸後、ギア格納しながらの約40°のターンというパターンを掛け合わせ、撮影地のあたりをつけ、クルマを動かした。しかし、そこが除雪されている保証はない。まさに賭けであった。
次回、最終編、千歳での捻り撮影チャレンジについて振り返ることにしたい。

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