2019年1月25日、防衛省から2機の現政府専用機であるB-747、20-1101・20-1102(以降、01、02とする)の売却に係る情報が公告された。
その後、3月8日に入札が行われ、おそらくすでに落札者が決定したものと思われる。
それと前後すること、3月5日、今度は「B747 整備搬出入に係る地上支援等業務」として業者の募集が公告された。これら2種、計3点の公告から、今後の政府専用機の動きを予想してみることにしたい。
●どこで最後の時を迎えるのか…
まず、報道の通りならば、現専用機は来る3月31日、改元を前に引退する。2機はその時を、おそらく千歳基地で迎えるだろう。(皇族や首相の外国訪問日程がない中では、海外での有事における邦人救出等の緊急ミッションがない限り、有事に備えた訓練に使用されながら、このまま千歳で過ごすのではないか)
※3/24追記 TV朝日報道によると、3/24の政府専用機交代式をもって専用機任務から退く模様。https://youtu.be/BucKQHj_cAw
そして売却であるが、01、02ともにその期限は6月30日と設定されており、引渡し先は千歳基地または、B747が離着陸できる飛行場と指定されている。(千歳基地以外で引渡す場合は、千歳基地から引渡し先まで航空自衛隊が移動させ、その経費等については購入者が負担)
●売却時の姿は…
さて、その際、どのような姿で引き渡されるのかということについては売払仕様書に記載されている。
・対象航空機は、外装は現状のまま、内装は貴賓室等及びその調度品,機内の座席等の一部並びに防衛装備品等を取り外した形態で引渡しを行う。(座席は一部を取り外し、102名分の座席が取り付けられている。)
・所有権移転後3か月以内に、対象航空機の標識等(=外装の「日の丸」「航空機番号」「無線呼出番号」「日本国」「JAPAN」「航空自衛隊」)について確実に抹消又は除去し,その状況が確実に確認できる写真を防衛省に提出が必要。
これらを踏まえると、外観上は防衛装備がない以外は、塗装、ロゴ等は現状のまま引渡しとなるようで、民間機のフェリーの際に見られるような白装束やロゴ消しというわけではなさそうである。
●今後のスケジュールは…
3月17日現在は、2機とも千歳基地にあるが、この後どうなるのかという点で気になる情報が出ているのが「B747 整備搬出入に係る地上支援等業務」と称する業務の調達情報である。
これまで2機は日本航空に整備等の作業を委託してきた。その契約が満了するために、今回改めてこうした調達を行う必要が生じたのだろう。順当にいけば、これについても日本航空が落札するのではないかと考えられるが、問題は、この動きが一体何のために?ということである。
①千歳基地から羽田空港へのフェリー
02は、2019/4/26~5/9(千歳 Spot52~55、羽田 Spot209~214)のいずれか1日
※6/27追記 4/26千歳→羽田、
4/27? K2ハンガー→5/9 M2ハンガー
5/14羽田→千歳
6/17千歳→アンカレッジ
01は、2019/5/11~6/12(千歳 Spot52~55、羽田 Spot209~214)のいずれか1日
※6/27追記 6/12千歳→羽田、
6/13 K2ハンガー→6/23 M2ハンガー
6/26羽田→千歳
6/27千歳→アンカレッジ
千歳のSpot52~55は政府専用機格納庫前のスペース、羽田のSpot209~214はJALのハンガー(M1、M2)の正面である。
②羽田からのフェリー
02は、2019/5/10~5/23のいずれか1日(羽田 Spot209~214)
01は、2019/5/28~6/29のいずれか1日(羽田 Spot209~214)
この①、②を読むと、
02が最速で4/26~5/10、最遅で5/9~5/23に
01が最速で5/11~5/28、最遅で6/12~6/29にJALのハンバーで最後の整備(売却に伴う装備品の撤去)を受けるのではないかということが推察される。
引渡し先が原則千歳基地とされていること、この情報が入札前に出されていることを踏まえれば、整備終了後は再び千歳基地に戻ると思われる。(千歳出発時のラバトリー・給水は従来JALが受託しており、それ以外のグラハン業務は航空自衛隊自らが実施しているのだろう。)
そして、整備に要する期間は2週間程度ということもわかる。整備はおそらく02→01の順で1機ずつ実施されそうである。整備を実施するハンガーがM1、M2なら、現役時の外装のままの専用機を見学で再び目の当たりにできるチャンスもありそうである。(それぞれ幅のある日程が1対1に対応しているとすれば、5/9・5/10は確実に羽田に02がいることが想定される。)
引渡しが千歳以外になる場合、再び千歳での一部のグラハンの公告がかかるのだろう。しかし、落札者が非常に気になるところである。
以上、テキストばかりで恐縮だが、公告から読み取れることをまとめてみた。
最後まで目が離せない。
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